2008年8月21日木曜日

若者はなぜ3年で辞めるのか?

若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書)
若者はなぜ3年で辞めるのか? 年功序列が奪う日本の未来 (光文社新書) 城 繁幸

光文社 2006-09-15
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日本企業に成果主義型の人事・給与体系導入論が展開されて何年たったのだろうか?本書では、外資のような成果主義型の体系を導入しきれない日本企業と若者の苦しみを関連付けながら、日本企業の構造的な問題を明らかにしている。

若者がやめてしまうのは、自分の将来を企業に預けることができなくなったから、つまり、企業が用意したレールに不安を覚え、安心できなくなったからである。

従来であれば、若者は入社面接時に語った自分のやりたい仕事、将来の夢を抑えながら目の前の自分の希望とは違う仕事(作業)をやりつづけることにも耐えることができた。あと、10年たてば管理職に昇進し、給料も大幅に上昇するばかりか、自分の意思が反映される仕事も多くなる。それまでは、勉強と思って待つしかない。

しかしながら、この考えが成り立つのは、景気が右肩上がりで企業もそれに比例して拡大していくときだけ。現在では、管理職の順番待ちがおこり、やっと管理職になったと思えば、周りにも多くの管理職が誕生する。それは肩書きだけで給料はあがらず、ともすれば責任だけを多くもたされることになる。管理職だから残業代はもらえない。めでたくワーキングプアの誕生である。

このような状況では、若者が「自立」のためにやめてしまうのは健全なのかもしれない。(↑良い意味でも、悪い意味でもこれまでの若者は会社から「自立」する必要がなかった)

その他、興味深かった項目

・派遣社員

・既卒と新卒/アウトサイダー

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